器季家の5年前

平成23年10月24日。
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器季家カフェは、オープンしました。

カフェに関しては、まったくの素人。
とにかく、大好きな町家に光と風と、人の気を入れたい!の想いで始めました。

オープンの年の2月。
町家見学会の時、大好きな町家の中に入れるだけで興奮していた時、
「この倉庫を貸しても良いと大家さんが言っています」と、
当時案内役だった冨士川さんから聞いて、
何の準備も計画も無いのに「借ります!」と手をあげました。

それから、8ヵ月後に、器季家カフェはオープンしたのです。
自己資金を貯めている訳でもなかったので、銀行に借りて、マイナスからのスタートです。

金融機関の保証をする、保証協会からの依頼で商工会議所の方が審査に来られました。
町家と私を。

「この場所で、儲かると思いますか?」
「宣伝はどうしますか?」
「この辺は人通りも少ないですよ!」
私は、その質問に答えるのに必死でした。
情熱だけで突っ走ろうとする自分の不安も飛び越える気持ちで答えたのです。

「この町家のシャッターを開けたいのです。
熊本の城下町の歴史はどんどん壊されています。
城下町の大切な建物を、壊さず活かしながら守りたいのです。」

何回も、どこでも、この事は、話しました。
市役所にも行きました。

でも、気持ちには賛同はしても、具体的な協力は、どこからもありませんでした。
個人力で、活かして守るしかないと、覚悟を決めたのです。

そして、5年。
カフェは4年半で閉店しました。
地震後の運営は、修復工事にかかる時間も考え、経済的に難しいと判断しました。

でも、町家創生と地産知笑プロジェクトの初代メンバーは、みんなそれぞれに自立して、新しいステージでも頑張っています。

「日々反省、日々進化」を合言葉に個人力も磨いてきたので、各人の魅力は他の場所でも輝いているはずです。

私は、5年前と同じ気持ち、情熱で、地震後の建物の修復工事を見守っていきます。


今回地震後に、多くの方に励まされてきました。

一番心強い存在は、家主である西村さんです。
大家さんと借家人の関係ではない、結びつきを感じました。

感謝しています。本当にありがとうございました。

城下町の風情ある町家風景は、無くなりつつあります。

何とか、守りたいものです。
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by ikinarii | 2016-10-24 08:36
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