熊本の地域力

6年前、東日本大震災後、建築家安藤忠雄氏が熊本に講演に来られました。
講演代と書籍販売代を、東北の被災した地域に寄付するために。

ちょうどその頃、熊本新幹線が会通した時期です。
熊本人総出で、祝うはずの時期。
残念ですが、お祭り騒ぎは自粛ムードの時でした。

まさかその時は、5年後に熊本地震が起こることなど誰も予想していないで、講演を聞いていたはず。

テーマは「地域を活かすためには、自然を取り戻すこと」の講演。

最後に、会場の方に「質問はありませんか?」と司会者の声。

ひとりの男性が手をあげました。

新幹線開通で熊本のまちなみは活性化するでしょうか?」

その時の安藤氏の回答は

「無理だろうね。新幹線や行政に頼ってもまちなみは変わらない。その町のひとりひとりが、町の案内人として情熱をもって、地域みんなで盛り上げないと。
新幹線客は熊本を通過して、終点鹿児島へ行くだろう。
熊本城と阿蘇だけに集中して、まちなかを散策とはいかないかもね」

安藤氏の辛口の意見と声は今でも憶えています。

でも、私はその時奮起したのです。

「よ~し!熊本人の力を出そう!あの町家を再生しよう!」
と、何の得策も、事業計画も無く、西村邸を借りることを決めました。

地域人でなく、無謀人です。私は。

最近見つけた本
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発行人 柏木正博  発行所 大正大学出版会

やはり、狭い日本の田舎の地域にはまだまだ原石のお宝がいっぱいある気がします。

地元の人は、自分の足元は見ないで、遠い所に憧れを追っているのかもしれません。

今回、新町古町の、城下町の歴史ある建物が被災しました。
この建物たちは、熊本の歴史文化のお宝だと思います。

地震前から、このお宝をどうして守り繋いでいくのか?
いつもひとりで考えていました。

その結果が「点」の存在を確立する!です。

西村創庫は、まちなみから見れば「点」の存在です。

でも、その点が輝いて活かしながら守られていたら、他のお宝の点も刺激になり、守りびと、繋ぎびとが動き出すのではないかと考えました。

これからが、本当の地域力を発揮するときです。

壊さず活かす!町家再生・地産地笑復興プロジェクト。

ばかもんの私は、若もんとよそもんのお力を借りながら、ゆる~と流れを止めることなく進めていきます。

お宝磨きを。
by ikinarii | 2017-04-08 09:25
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